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2011.05.21 *Sat*

レオンの友達の話

ここのところ日記が書けない。普通の生活を
送っているのにどうしてこんなに時間が
たりないんだろう。仲人もしてるからなぁ。
この話はちこっと面白いので後日お楽しみに

あとノートNO2~NO3が行方不明
ちょこっと焦ってます。

私のBF兼犬友のハセさんのことを書きます。
彼は秋田犬のエキスパート。秋田犬のドックショーでは
トップクラスの常連。秋田犬おたく?なのかしら。
サッチ、アカ、トラ。サッチとアカは夫婦で赤ちゃんが
産まれていた7匹。あの日から5~6日前にとっと動画
がありますので見てください。

http://www.youtube.com/user/reon820#p/a/u/0/chwKrM9BEUo

私はオス6匹の中小さいからだで奮闘してたメスの子が
好きだった。この子はあの日から4日くらいかな?
よそにもらわれていく予定だったんだよね。
わぁじゃあもらわれていく前に見に来るねと
ハセさんと約束した。

ハセさんちは敷地内同居。息子さんの家ではフレンチブルドックを
飼っていた。オスの子鉄。いつものんびり寝ていた。
ハイテンションドックのレオンがいくと迷惑そうな顔を
していたっけ。でも一回だけ勇気を振り絞ってワンとほえた
子鉄はレオンより年上なのにぃと笑ったっけ。
あの勇気のワンは最高に可愛かった。

ハセさんはいわゆる純粋に犬を愛している人で
ドックショーでいい成績をあげていたサッチの子供なら
高い値段で売れるのに、格安で売っていた。
初めて犬を飼う私にいろいろ教えてくれた。
それも冗談まじりに、私はハセさんの言う通りに
レオンを育てれば間違いないと思い、いわゆる
ワンコの育て方の本はいっさい読まなかった。

あぁ忘れてた。サッチとアカが結婚したときも
私見てたんだ。ちょっとびっくりしたけどね。

あの日、ハセさんは在宅していた。
津波がきたのでまずトラを檻から逃がした。
そして向かいの家の足の不自由なおばあさんを
助けに行った。とりあえずばあちゃんを庭にあった
いすの上に座らせた。そうこうしている間に
あっという間に水が170cmもあるハセさんの首まで
迫ってきたらしい。あわてて犬小屋の鉄のポールに
おばあちゃんを背負ってぶら下がって、難を逃れた。
ハセさんすご過ぎだと思いません?

でも一晩息子さんたちと会えなくて、彼らはハセさんの事を
あきらめたらしい。我が家と同じですね。

ハセさんが生きてると聞いたときは嬉しかったなぁ。
でもその後のワンコの話を聞いたとき
信じたくなかった。現実逃避したのかな。

アカ死亡。トラ行方不明、子犬全滅。
子鉄死亡。子鉄の周りに子犬の死骸が散らばって
いたそうだ。生き延びたサッチは人間で言えば
ウツ状態。そりゃそうだ。一生懸命育てた
子供たちと夫をいっぺんに亡くしたのだから。
気が強くて近ずくとほえまくるので私もレオンも
びびってた。そんなサッチがほえない。
甘えてくるんだよね。前は絶対に人を近づけることを
しなかったのにな。乳はまだパンパンに張っている。
あんなにきれいな毛並みが皮膚病で荒れている。
そしてげっそりとやせて一回り小さくなっていた。

次また可愛い子犬たちにあえると思ってた。
甘えん坊のアカを触れると思ってた。
怖がりの子鉄がまたレオンにビビると思ってた。
レオンの親友のトラと遊ぶところを笑いながら
見るもんだと思ってた。サッチにまた怒られると
思ってた。

ずっと彼らと遊べると無邪気に楽しみにしていた。

2011.05.15 *Sun*

友人

半泣き状態で避難所へ。なんと入り口にあきらめていた
ヤスがいる。生きていた!D君のおうちは高台にあるので
そこで双子くん2人と泊まっていたらしい。D君のおかあさんは
私のいきつけの耳鼻科の看護師さん。なんという偶然だろう。
彼女に抱きついて泣きながらお礼を言った。
「それではお母さん確かにお渡ししましたよ」
ありがとうございます何回、連呼しただろう。
ヤスにも生きてて良かったと泣きながら抱きつく
なんと彼の返事は「おめぇうぜえよ」
なんてひどい言葉だろう。

後日わかったのだが彼は事の深刻さをその時点で
知らなかったのである。誤解してごめんなヤス

クルリンさんがいる。彼女は一緒に泊まった双子君の
お母さんである。いわゆる犬とも兼ママ友である。
彼女に抱きついて「レオン死んだぁ」と泣いた。
いいからいっぱい泣きなと背中を抱いてくれた。

これも後日わかったのだがクルリンさんの
ご主人は漁師さんで急死に一生を得たのである。
しかし仕事仲間の何人かは行方不明の状態。
これから漁がどうなるかわからないそんなときに
私を抱いてなぐさめてくれたのである。
強い女性である。優しい女性である。

ヤスが双子君と家に向かうという。危ないし
レオンの死んでいる姿は見せたくない。
行かないほうがいい。その言葉を背に彼らは
家まで走っていってしまった。

3月12日 part3

2011.05.15 *Sun*

慟哭

避難所を捜しているうちに自宅が近くなってきた。
主人が「家に行こう」それどころじゃないのにと
少し怒りながら向かう。
途中で車を降りろ。通れないからな。
また神経質なことをヤスとじいが
どうなってるかわからないのに
車が傷つくとか思ってんのかしら?

家に向かう道「なにこれ」みんな壊れている。
家の中に壊れた車が突っ込んでいる家。
完全に津波が通ってしまった家。
道路はなんだかわからないガレキだらけ
車が通れない意味がやっとわかった。
驚きながら家につく。門にどこのおうちか
わからない屋根がくっついている。
電柱が倒れて電線がブラブラしてて怖い。
我が家は電化住宅だったので給湯のタンク?
のようなものを家の後ろに置いてあった。
大きくて重いもの。それがねじれて倒れている。
私が使っていた軽自動車が隣の空き地に
ひっくり返っている。ここはレオンとよく
散歩をした空き地だった。この状態では
ヤスとじいは生きているわけがない。
レオンは首輪を抜いて逃げているだろう。
「こんなこと」この言葉をうわごとのように
言っていた。

家に入る。1Fが全滅。くくりつけで大きな姿見が
ついて靴がたくさん入っていた靴箱が
消えている。私はウサギ年生まれ。
なんだか嬉しくて、バカのように
飾ってたウサギの人形はどこに行ったの?
畳がない。あっあった。違う、よその家の畳だ。
ヤスが合格できるように縁起担ぎで飾っておいた
お雛様がない。あっお内裏様だけ足元にあった。
これだけでもと拾ったら首がない。
家中のガラスが割れている。特にひどいのは
私がたくさんいろいろなものを飾って
家族中にあきれられていたお気に入りの出窓。ガラスが
トゲトゲになり、ブランコのようにふらふらしている。
飾りは?そうだ秋に小さいうちに買って試行錯誤しながら
育てたポインセチアは?やっと新しい葉が出てきたのに。
出る言葉は「こんなこと」この一言。
せっかくがんばって建てたマイホームなのに
なぜ涙がでないんだろう。

主人について行って外に出る。「ウワァ」と
主人が小さい声で叫ぶ。その視線の先に
レオンがいた。死んでいる。
大声で泣きながら彼を抱く。こんなに大きな声で
泣いたのは小学生以来だ。抱きしめながら泣きじゃくる私に
キリがない行くぞと主人が言う。
「嫌だ。離れない」泣きわめきながら抵抗する。
主人に引き剥がされる。この人はなんて冷たい人なの!
大声で泣く私にこの通路までだぞ。大通りにでたら
泣くなよ。なぜ悲しいのに、泣いてはいけないの?
ハセさんの息子さんとお嫁さんに会う。
「見ないほうがいい。子鉄は死んでいるよ」
子鉄はフレンチブルのおとなしいかわいい子
動作がのんびりしている。あのすばやいレオンが
ダメだったのだ。子鉄が生きているわけがない。
でも私の声を振り切るように行ってしまう。
そうだ、忘れてた。ハセさんも一晩帰ってこなかったんだ。
でも帰ってきたよと聞いてホッとしたんだっけ。

レオンの動画をyoutubeでupしてあります。
「reon820」のユーザー名で見られますので
お暇なときに見てください。おバカだけど
とってもかわいい子です。

奥さんの「ウワ~」という泣き声を背に道を
歩く。大声で泣くのが止まらない。
なぜ?あのかわいい2匹が死ぬの?
どうして?わからない。
泣くのをやめろ。ヤスを探さなくちゃダメだろう。
でも涙が止まらない。だってじいとヤスと
レオンを失ったんだよ。泣かずにいるなんて無理だ。
とりあえず情報がはいってるかもしれないから
避難所に戻ろう。死亡の情報を聞きに行くのか。
絶望でいっぱいになりながら避難所に向かった。

3月12日  part2



2011.05.12 *Thu*

おにぎり

朝起きて、岩のような硬くて味のない
小さくて冷たいおむすびを、ウサギちゃんが
もっていたお塩をかけて食べた。非常にまずかった。
でも食べなければ死ぬから仕方がなく飲み込んだ。
主人とヤスを探し始める。噂では友達のD君の家にいるらしい。
ベル先生の携帯電話にD君の家の電話番号を聞く。
Yハウスにいると言われて向かう。D君がYハウスの玄関に
出てくる。「僕は一緒じゃありませんよ」と言われる。
D君といると安心しきってた私たちはあわて始める。
避難所になりそうな施設を探す。保育園や幼稚園
どこも誰もいない。ヤスはだめだったのか。
まだ15歳なのに。昨日卒業式をしてそのまま
逝ってしまったのか。早すぎる。私が変わってあげたい
知らぬうちに「ヤス、ヤス、」と声をあげていた。

3月12日 part1

2011.05.11 *Wed*

乳歯

最初に戻ったのがスマイル。学校にいるのだからスマイルは
大丈夫だと思いなぜか安心してた。でも友達のC君と帰ってきて
顔を見たとき、ホッとしたなぁ。安心してたんじゃないの?
あれ?でも姪のノンちゃんは一緒じゃないの?おばあちゃんと
私は心配を始めた。スマイルあれだけノンちゃんを守れって
日ごろ言ってるのに。肝心なときに守れないなんてダメじゃないか!

ドキドキしながら待ってたらノンちゃんが友達のハッチちゃんと
戻った。ああ良かった。混乱の中スマイルたちとはぐれてしまった
らしい。ハッチちゃんとノンちゃんは地震のとき泣いちゃったんだよぉ
怖かったんだね。可愛そうに。でも無事でよかった。

次はウサギちゃんが戻る。ウサギちゃんはノンちゃんを
車で捜し歩いていたらしい。道路が大変なことになってるよ。
私、か呼吸になっちゃった。どんなことに?よくわからない。
ウサギちゃんがノンちゃんに「どこにいたのよ」と怒る。
でもうれしそうなのバレバレだぞ。

次に主人が戻る。家を見てきたらしい。
「すごいことになってるぞ。覚悟はきめろよ」
あ~あ畳、台無しかなぁ?まいったなぁ。
いくらかかるんだろう。

そうそう長女の弓はディズニーランドに行ってた。
メールでディズニーに泊まると言ってきた。
ええ!寒くないのかな?女の子だし心配。
でもまぁ3人いるから大丈夫かな。

スマイルが頬づえをついていたら激しい余震で
抜けかかってた乳歯が抜けた。いつも乳歯は
上の歯は庭に下の歯はベランダから投げていたのだが
バタバタしててなくしてしまった。ごめんねスマイル

ジイ(舅)とヤスとレオンが行方不明。レオンはきっと
やんちゃだから首輪を抜いて大丈夫だろう。
ジイとヤスはあきらめた。バア(姑)はジイは
80年生きたからもういいよ。ヤスだけ助かればいい。
そんなのダメだよバア。ジイだってもういいなんて
ダメだよ。

毛布を2枚渡される。1枚は敷布団。2枚は掛け布団。
でもストーブの近くに場所をとったので寒くはなかった。
ただ下が冷たいダウンをきたまま寝たのだが、
眠れない。どうやっても眠ることができない。

3月11日 part4


プロフィール

でんでんむし

Author:でんでんむし
東日本震災の被災者です。
家は半壊強。愛犬のレオンを
亡くしました。今は四倉高校を
でまして、市から提供された
海の目の前のマンションで暮らしています。



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